どのような企業でも、作業をするにあたって必ずミスが発生します。そして、このミスはほとんどの場合、人が原因で起こっています。人が原因となるミスは「ヒューマンエラー」と呼ばれます。
例えば、2つの同じような文字列を見て、同じ文字列と勘違いしてしまうことや、似たような見た目の2つの製品を見て、同じ製品と勘違いしてしまうことなどがヒューマンエラーです。この他にも、記憶違いによるミスや、経験からの思い込みによるミスも該当します。
2つの異なる製品を同じ製品と勘違いした場合はもちろん、どのような理由であってもミスが発生すれば、業務に何らかの影響が出ることは必至です。自社の業務への影響だけではなく、最悪の場合、顧客からの信頼を失う事態に繋がりかねません。命に関わる事故や、企業経営の維持が困難になるほどのトラブルが起こる可能性もあります。
ヒューマンエラーは、どれほど気を付けても起こります。なぜなら、人間の脳は生存するための情報だけを取捨選択できるようになっているためです。この性質により生存に関わらない情報を見落としたり、見誤りやすくなっていることから、ヒューマンエラーが起こるのです。しかしながら、仕事においては「脳の性質が原因なので仕方がない」とは言えません。可能な限りヒューマンエラーを減らすように努める必要があります。
人が脳の性質によってミスを起こすならば、一部の業務をシステムに委ねれば良い。近年はそのような考え方が普及しています。人の苦手としている作業を、プログラム通りに物事をこなすシステムに任せることで、起こる可能性があるヒューマンエラーを事前に防ぐことが可能です。
人の苦手としている作業とは、具体的には記憶力を要する作業や、細かな違いを識別する作業、膨大な情報の中から必要な情報を取捨選択する作業などが該当します。これらの作業をシステムに一任することでヒューマンエラーをなくします。
しかしながら、システムもただ導入するだけでは最大限の効果を得ることはできません。せっかく導入したところで費用対効果が低いといったケースも考えられます。また、一気にシステム化を進めると従業員が適応できないといった事態もあります。システム化の際は、必要なシステムを徐々に導入していくことが望ましいです。現在において、どのような部分の作業が従業員の負担になっているのか、ミスが発生しがちなのかを調査し、計画的にシステム化を進めてください。
まずは、できるだけ柔軟性に富んだシステムを選択することで、システムを活用しながら必要な機能や不要な機能を探り、見極めることができます。例えば、株式会社バーネットの開発した在庫管理システムは自由度が高く使いやすいため、導入が推奨されています。最初は基本的な機能のみを使用して、後から別の機能を追加するといった活用の仕方が可能です。